2009年12月29日火曜日

Sheamus について書いてみる也(3)

 前回の記事で、MVPのde-pushについて触れたときに、実は、「彼はマリファナを吸ってるから」と書きかけて、「噂に過ぎないことを安易に書けない…」と思い直し、その部分を削除していました。
 そうしたら、その後、MVP自身が Opie & Anthony に出演して、マリファナ吸引歴についてペラペラ喋っていたことがわかりました。音声ファイルは入手しましたが、まだ聞いていないので、詳しいことはわかりません。が、マリファナ関連のドラッグテストにしくじった時の罰金が$2,500になるまでは吸っていたと認めたそうです。(あと、Raven先生の悪口を言ったらしいので、そのあたりの口調を確認しなければ……と思っています。) MVPのde-pushと彼のマリファナ吸引が関係あるかどうかについては、証拠もないし、わかりません……が、ありえる話だとは思っております。ジェフ・ハーディやレイ・ミステリオ格のレスラーならともかく、MVPがマリファナを吸い続けてたら、プッシュが中断されるのは……仕方がないですね。

 今日の本題に入る前にもうひとつ。Bret Hart が WWEと短期契約を結んだことに関してのHHH絡みの「噂」についても触れておこうかと思いますw 「HBKはBretの復帰に賛成したけれど、HHHがBretのとの契約に反対で、「こんなアングル失敗すればいい」と言った」とかいう「噂」www
 では、箇条書きで。

  • 火サスの犯人じゃあるまいし、あの賢いHHHがそんなことをベラベラ喋るってか。
  • 「噂」の源は、Wrestling Observer の Dave Meltzerが、Live Audio Wrestling で語ったこと。(有料サイトだっけ、これ?)
  • ただし、実際にLive Audio Wrestling を聴いたという者の話によれば、 Melzer はそんなこと言ってないw Meltzerは「HHHがBretの復帰に反対した」と言っただけだ、とか。
  • この噂をとりあげたのは、零細弱小ピコ噂サイトのみ。


 私は正直、Meltzerは愚か者だと思っているのだけれど(*1)、それでも、彼は似非ジャーナリスト程度の扱いはされていますね。それで、「Meltzer=ソース」と偽るでっちあげ記事や「一般読者が見れない有料部分でMeltzerが語った/書いたこと」を元に捏造した記事が出ることがあります。今回のこの「噂」は後者の典型例ですね。確認されにくい「ソース」を元に捏造するというのはよくある手口です。気をつけましょう。

 (*1)Meltzerが愚か者だと私が思うようになったきっかけ。

  • Tajiri 退団の際。週プロのTajiriの連載で、「奥さんの免許書問題がWWEの弁護士の力で無事解決。WWEと契約更新した」という報告がなされた数日後ぐらいに、「TajiriがWWEを退団するらしい」とMeltzerが報じたこと。「噂」がMeltzerの耳に届くまでそんなに時間がかかったなんて、伝達手段は伝言ゲームですか、糸電話ですか?
  • Batistaの生年月日についての記事を書いた時。まずMeltzerが「Batistaは1966年生まれで39歳、年齢詐称ですm9(^Д^)」と報道。Batistaの耳にそのことが入り、「違うよ、69年生まれです」と公式サイトの掲示板でサイトの管理人が発表。すると、Meltzerが、「Batistaが「俺ももうじき40歳だ」と周囲に語ったていた。もうじき40歳だということは今は39歳。従って、生年は1966年。年齢詐称ですm9(^Д^)」云々と、本気で書いた。(「自分ももうじき30歳かぁ」と27歳ぐらいで感慨にふける……というような当たり前のことが、Meltzerには想像できなかったらしい。)それに対し、Batistaが「1969年生まれです。年齢詐称するなら、3歳なんて微妙な詐称の仕方はしません。パスポート見せてもいいよ」と公式サイトで表明。その後、Meltzerは「Batistaが66年生まれ」とは言わなくなりましたが、訂正記事は書いていません。
  • 2005年の Vengeance PPVで、HHH vs Batista のHIAC戦について書いたレビューで、「One Night Stand でのECW勢に対して、「自分もハードコア戦をやれる」とHHHは示したかったのだ」と書いた際の、「ゲスな勘ぐりはやめれ」&「何故、他人の頭の中がわかるんだ?おまえ、エスパーか?」というのをあわせた、いわゆるゲスパーな書きっぷり。

 ……ほかにもいろいろあるんですが、とりあえず三項目ぐらいに押さえておきます。
特に気に入らないのは、傲慢な愚かさと阿呆な怠惰さですね。
自分の意見や妄想を「事実」として記事に書く傲慢な愚かさと。
直接取材をすればあっさりと判明するようなことでも全く取材を行わず、「噂」として持ち込まれるものを真偽も確かめず、そのまま垂れ流す阿呆な怠惰さ。
怠惰で馬鹿なだけならともかく、その上に悪意まであるあたり、毎日新聞オンラインエロ記事なみの悪質さだと思ってるんですが、大げさでしょうかw

 あと、「この噂って、ストーリィライン上のことが伝言ゲームでMeltzerに伝わる間に歪んだでないの?」とか思ったりしました。今週の現地RAWで、HBKがリング上でVinceに対し、"I ... will be more than happy to see Bret Hitman Hart one more time." という台詞を口にしてましたし、その前にDXのスキットで、HHHがHBKに対し、「Vinceに何か言う気だろうけど、やめとけよ」と言ってましたし。このへんの話が歪んで伝言ゲームされたんじゃないの?と、思ったり。
 なにしろ、前例がないわけではないので。
ベノワが2004年にRRで勝った後、HHHたちが「ベノワは王者になる器じゃない」とベノワを虐めているwという噂がダートシートに載ったことがありました。そしてその後、「ベノワは王者にはなれない」とHHHたちが言いまくったんですね、番組上で。
……「今後の展開」「ストーリィ上のこと」を「実際の私生活でのこと」に歪めて、「噂」にされてはかなわんと思いますw ちなみに、WM前にはHHHがベノワと仲が悪いという噂でしたが、ベノワの戴冠後、サマスラ頃には「HHHとベノワは仲が良い、HHHの友人だから、HHHはベノワに負けてやったのだ(=俺はHHHの友人ではないから、プッシュが得られないのだ)」という噂が流されておりましたwww

何故、王座に挑戦したのがSwaggerではなかったのか?



 本題。何故、Swaggerが挑戦者ではなかったのか?
Sheamusがアイルランド系だったから……かも。
Swaggerは、いわゆる "All American Boy" アメリカ人的アメリカ人(白人・キリスト教徒(プロテスタント系)、中流家庭、学生時代にはアメフト等のスポーツをやって人気者)の枠に入ってしまって、Cena とかぶっている部分が多いのではないか、と。
 人種・民族による「枠」はあるものと、自分は妄想している。Kofi Kingstonも、プッシュを与えられるのにふさわしいだけの才能や態度等がある上に、「黒人であること」「今、WWEでの黒人トップレスラーの枠があいていること」も、彼が今のプッシュを与えられていることに影響があったと思っている。
 Sheamusはアイリッシュ系。彼がWWEの王座に挑戦することは、米国内のアイリッシュ系の人々と、英国へのアピールとなる。(Sheamus以前には、アイルランド系のWWE/WWF王者はいなかったそうだ。)
 実際にTLC PPVが行われる前から、Irish Centralというスポーツ新聞/サイトが Sheamus のタイトル挑戦を取り扱っていた(http://www.irishcentral.com/sport/-Why-Sheamus-will-take-WWE-world-title-78309727.html)し、Sheamusが新王者になった後も大喜びで取り上げている(http://www.irishcentral.com/sport/Sheamus-is-new-WWE-world-champion-79185582.html)。他のアイルランド/米国内アイリッシュ向けの新聞/サイトも、Sheamusをトピックとして取り上げていた。彼の戴冠後の長めのインタビューが載ったのもアイルランドの大衆紙 Daily Star だ。
 正直言って、Swagger が Cena に挑戦しても、これほどのメディアの注目は集められなかっただろうと思う。ダートシート以外では、The Sun のプロレスページに小さく載る程度だろう。Sheamusの王座挑戦の方が、人種・民族「枠」的意味で、インパクトがあったというのが、私の邪推だ。要は、"All American Boy"ではないこと、あの赤毛にあの白さ、アイリッシュ系であるということは、Sheamusにとって有利に働くこともあるということ。(無論、不利に働くこともあるだろう。)

【この項のポイント】
・ Yoshi Tatsu のプッシュも日本人であることと全く無関係ではないと邪推する。
・ Yoshi Tatsu の入場曲はマリオ風の曲で、Yotshi という名前は「ヨッシー」からとったというのが、あっちのファンの掲示板では定説になっているが、自分は面倒くさいので放置している。

Daily Star 誌に載った Sheamus のインタビュー


原典はこれ:。抜粋するので、全文読みたい人は上記リンクをたどってください。

・ 抜粋その1

... When I told people what I wanted to do, they laughed. But the lesson that every kid out there should take from me is don’t ever let anyone say you can’t do something.
If you want something, if you have a dream, then do whatever it takes, and don’t listen to anyone who tells you can’t do it.

...Since I came here I’ve left my family, my friends, my house – I had to take a chance because it’s the opportunity of a lifetime. I think I work for the best company in the world. Not one day is the same. It’s also the funniest job in the world.

(後で適当に訳すお)



……これを読んだ際に、HHHがSheamusを気に入っていることが、ハートで納得できた気がします。

・ 抜粋その2

... it’s not a case of young guys being kept down but merely professional pride. The veterans want to see the young men want it as much as they once did. ...instead of brown-nosing and politicking, a positive and respectful attitude goes a long way.

Lots of people complain that the top guys are keeping young wrestlers down. But, you know, in reality the top guys are looking for wrestlers to step up. They want young people to step up to that level – it’s what they’re waiting for. And I’ve worked my arse off.

These guys are on top because they are the best. My goal is to be better than all of them. I don’t want to be first Irish champ. I want to be the best ever, the longest reigning champion.”

(後で適当に訳すお)


……これを読んだ際に、HHHがSheamusを気に入っていることが(rya

・ 抜粋その3

... there are a few stories going around about HHH but the deal is that Trips has been fantastic. He’s one of the most successful WWE champions of all time. If you’re going to learn, then learn from the best.
He’s been a mentor, but so have a lot of other guys. Arn Anderson and Finlay have been a big help. Regal has been great too – when I first came to ECW, I rode with him and he helped me so much.


この部分をダートシートが報じる際に「Sheamusが HHHとの relationship を語る」とタイトルをつけていて、吹いた。"relationship"って、ニュートラルな「人間関係」という意味でも使えますが、でもでも、こういう記事の見出しで、「誰某が某との"relationship"を語る」とか出てると、「恋人との恋愛関係を語る」という解釈が連想されるんです。芸能記事とかでー、よく出てくるんですー。だからー、連想しちゃっても、仕方がないんですー。あっちのプヲタの掲示板でも、何人か、「ワラタ」って書いてましたー。
 それはともかく、ECWで明らかに若手お世話係に就任しているリーガル卿と、エージェントでもあるフィンレーと、エージェントのAAも、Sheamusの師匠役をしてきたんですね。ちなみに、バティスタの場合、HHH・Flair以外では、ベノワさんとフィンレーとAAにお世話になったそうです。人脈がかぶっていると見るか、エージェントを正しく利用してきていると見るかは、あなたのお好み次第でどうぞ。そして、ダートシートはリーガル卿、フィンレー、AAたちの功績を無視して、全部HHHの「業績」にするな。そんなにHHHが好きなのか? HHH以外は目に入らないのか?

【この項のポイント】
・ ダートシートの見出しは、腐女子 (fangirls)に媚びてんのか?

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