2010年3月2日火曜日

生きてます。Surviving。でも、すごく忙しい。
そして、今週末から2週間海外出張。
書こうと思ってたことについては、出張中に書く予定です。向こうに行ってる間は、かえって時間がとれる予定だし、一応、ネットには繋げられるので。
(ぶっちゃけ、学生の語学研修の付き添いだから、行動が拘束されているわりに暇なんですわ。)

ウマガの毒物検査の結果が出てきたので、書き留めておきます。

... Dan Morgan, supervisory forensic investigator for Houston, Texas' Harris County, has determined that Fatu's cause of death was "acute toxicity due to combined effects of hydrocodone, carisoprodol, and diazepam."
More specifically, it was a lethal combination of painkillers (hydrocodone), muscle relaxers (carisoprodol), and anti-anxiety medication (diazepam).
While Umaga is believed to had a history of drug abuse, the "acute toxicity" finding indicates that his death was the direct result of a deadly mix of drugs in a short period of time (opposed to his body finally giving out due to chronic abuse).


簡単に言うと、hydrocodone (鎮痛剤) と carisoprodol (筋肉弛緩剤) と diazepam (向精神薬) の複合作用による急性中毒。薬の長期使用に肉体がついに屈したというわけではなくて、一度に使った薬の量が多すぎたから。(それぞれの薬の量は多くなくても、混ぜ合わせた場合に効果が強くなってしまったケースでしょう)。

 "hydrocodone"は opioid (阿片類縁物質)で、鎮痛剤や咳止め薬として使われています。
代表的な商標としては、Vicodin などがあります。RVD愛用の鎮痛剤で、Benoit夫妻の体から発見されたもの。
娯楽用麻薬 (recreational drug)としても使われます。
て言うか、「娯楽用麻薬として使われます」と言い切ってしまいたい気がします。

 "carisoprodol"は、要するにソーマ (soma)です。古くからレスラーたちが愛用している 筋肉痛対策の薬 (muscle relaxant) です。
娯楽用麻薬 (recreational drug)としても使われます。

 "diazepam"は、要するに "valium" です。用途はいろいろありますが、睡眠薬と言って良いでしょう。娯楽用麻薬 (recreational drug)としても使われます。
これをアルコールと一緒に摂取すると非常に危険です。
有名な1978年の安楽死裁判……Karen Ann Quinlan の人工呼吸器を外すことを彼女の両親が求めた裁判で、安楽死・尊厳死の権利が争点になりましたが、彼女が「植物状態」に陥った原因はアルコールとvaliumを一緒に摂取し、長期間の呼吸不全に陥ったこと(そのため脳が回復不可能な損傷を受けたこと)、でした。
valiumは依存性が高いと言われておりますし、このように悪名が高いせいでしょうか、ウマガが摂取していた3種の薬の中では、一番やばそうな印象があります。

 正直、「hydrocodone と carisoprodol と diazepam を摂取していた」と言われてもピンと来ないのですが、
「vicodin と soma とvalium を飲んでた」と言われると、「…そりゃ下手こけば死ぬわな orz」と思います。

 ウマガは、WWEのwellness policy による薬物検査にひっかかって、リハビリ施設に行くのを拒み、WWEを解雇され、半年後に薬物の過剰摂取で死んだ、わけです。
WWEの責任を問うことはできないでしょう。
自立した人間を強制的にリハビリ施設に送り込むことはできません。
強制的に送り込むことが出来ていたとしても、無駄でしょう。
クスリのリハビリをするということは、「クスリを自ら断つ決断をする・依存症の克服の手助けをしてもらう」ということですから、
そもそも本人にクスリをやめる意志がなければ、意味がないことです。
リハビリに行くのを拒むということは、「自分はクスリをやめたくない、ラリっていたい」ということですから。

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